2026年、なぜあの小粒ミントが再び世界を席巻しているのか?「音」と「レトロポップ」でZ世代の心を撃ち抜く熱狂の舞台裏
tic tacが今、世界中のトレンドセッターや日本のZ世代の間で、単なるミント菓子の領域を超えた文化現象として再び脚光を浴びている。小さな透明ケースを振ったときに鳴る独特のシャカシャカ音、掌に収まる絶妙なサイズ感。2026年の今、TikTokやInstagramではこの象徴的な容器を使ったクリエイティブな動画が爆発的に拡散されており、半世紀以上の歴史を持つロングセラー商品が異例の「第二次黄金期」を迎えているのだ。
かつてはドライブ中の気分転換や口臭ケアの定番として愛されてきた。だが現在の熱狂は、そうした実用性だけでは説明がつかない。特に東京や大阪の輸入雑貨店では、カラフルな海外限定パッケージを買い求める若者が後を絶たず、バッグの中に忍ばせるスタイリッシュな小物としてtic tacを指名買いする動きが定着している。この小さなプラスチックケースの中に、一体どんな現代的仕掛けが隠されているのか。現地取材と最新のマーケットデータから、その秘密を紐解いていく。
耳から味わう感覚?SNS空間を揺らす「ASMR」の異例な爆発

指先でフタをパチンと開け、小粒の粒を手のひらに振り出す。その一連の動作が生み出す軽快な音に、世界中のクリエイターたちが夢中になっている。
動画共有プラットフォームで音を楽しむASMRコンテンツが定着して久しいが、この音に焦点を当てたショート動画が数億回再生を記録するケースも珍しくない。マイクに近付けたケースから響くリズミカルな音は、どこか心地よいアコースティックな響きを帯びている。ただ食べるだけでなく、「音を聞く」という体験価値がSNS時代と奇跡的な親和性を見せた格好だ。
王道ペパーミントの先へ:2026年を彩るエッジの効いた限定フレーバー

オレンジやフレッシュミントといった王道フレーバーはもちろん健在だ。しかし、いま市場を揺らしているのは次々と投入されるエッジの効いた限定ラインナップである。
コーラ風味やスパイシーなトロピカル系、さらには有名キャラクターやカルチャーブランドとのコラボレーションによる限定パッケージなど、視覚と味覚の双方を刺激する仕掛けが途切れない。国ごとに異なるフレーバー展開もマニア心をくすぐり、海外旅行の土産として未発売の味を探し求めるコレクターが急増。箱を集めて部屋に飾るフォトジェニックなインテリアとしての楽しみ方すら生まれている。
「1粒2キロカロリー」の魔法:罪悪感を消し去る絶妙なバランス

健康意識が高まるなか、間食に対する消費者の目は厳しさを増すばかりだ。砂糖の摂取量を気にする層にとって、この小粒なキャンディが提示する数字は絶妙だ。
わずか2キロカロリーという軽快さ。仕事の合間の気分転換や、デスクワーク中の口寂しさを紛らわせるにはこれ以上ない選択肢となる。カロリーオフや糖質制限を意識しながらも、ほんのりとした甘みと爽快感を諦めたくない——そんな現代人のワガママな欲求に完璧に応えている点も見逃せない。
空き容器がガジェットに変身?Z世代が熱中するDIY&リユースの現場
中身を味わい尽くした後にも、この製品のストーリーは終わらない。頑丈で透明度の高いケースは、ガジェット好きやDIY愛好家たちの格好のキャンバスとなっている。
ワイヤレスイヤホンの予備チップを入れる、マイクロSDカードを整理する、あるいは旅行用の常備薬ケースに仕立て直す。SNSを検索すれば、空き容器を自分好みにカスタマイズしたライフハック動画が山のように見つかる。捨てずに使い倒すという行為が、図らずも若い世代のエコ意識と結びつき、ブランドへの愛着をより深いものに昇華させている。
日本のストリートカルチャーと共鳴する「輸入菓子」としての立ち位置
日本国内におけるミントキャンディ市場は、清涼菓子タブレットなどが根強い強みを持つ激戦区だ。その中で、この海外発ブランドは独特のポジションを確立してきた。
原宿や渋谷の輸入雑貨店での取り扱いは、単なる食品というよりも「海外カルチャーに触れる体験」として若者に受け入れられている。2026年に入り、日本のストリートファッションブランドとのコラボレーションの噂も囁かれており、カルチャーアイコンとしての立ち位置はさらに強固なものとなりそうだ。
脱プラの波にどう立ち向かうか:次世代パッケージへの新たな試み
もちろん、課題がないわけではない。プラスチック容器の環境負荷に対する世間の視線は、2020年代後半においてかつてないほど厳しくなっている。
製造元であるフェレロ社は、リサイクル可能な素材への切り替えやバイオプラスチックの採用など、持続可能なパッケージングに向けた革新的なロードマップを着々と進めている。あの愛くるしいフォルムと「シャカシャカ」という独特の音を維持しながら、いかにして地球環境と調和していくのか。長年親しまれてきたアイコンの新たな挑戦から、当分目が離せそうにない。 (出典: tic tac(Yahoo!ニュース))